Facts & Truth合同会社

高閲(こうえつ)

別名:高閲時確認、演者高閲

上位の立場の人による確認工程。発言した医師による確認や、社内の上位審査を指す。

発注される方へ — この言葉が意味すること

高閲は、通常のレビューの上に置かれる確認工程です。資材の種類によって、誰による確認を指すかが変わります。

医師が発言した内容を掲載する資材(座談会の記録、インタビュー記事など)では、発言した医師本人による確認を高閲と呼びます。これは制作側やクライアント側では代われない工程で、レイアウトが確定してから別途送付して確認を受けます。

社内の審査プロセスの中では、通常の審査より上位の確認を指して高閲と言うことがあります。

発注側として重要なのは、高閲を工程表に独立したステップとして立てることです。高閲は社外の医師の都合に依存するため、日程が読みにくく、ここを甘く見積もると全体が遅れます。実務では「原稿レビュー → 原稿確定後に高閲 → 高閲反映して再レビュー」という順序を明記し、レイアウト作業は原稿レビューと並走させることで全体期間を短縮する進め方が使われます。

制作する方へ — 実務上のポイント

高閲に関連して、制作側が必ず知っておくべき運用が「高閲時確認」という赤字の扱いです。

これは、制作側でもクライアント側でも判断がつかない箇所に「高閲時確認」と書き入れ、上位の確認まで判断を持ち越すための印です。

この赤字は消してはいけません。 制作側で「たぶんこういう意味だろう」と埋めて赤字を消してしまうと、本来確認されるはずだった箇所が確認されないまま通過します。判断がつかないから残されている印であって、作業漏れではありません。

同様に、校了前のチェックでこの記載が残っていることに気づいても、独断で処理しないでください。誰の判断で埋めるべきかを確認します。

工程管理の面では、高閲の有無でレイアウト確定のタイミングが変わります。発言医師の確認が入る資材では、原稿が確定してからレイアウトを確定させ、その状態で送付します。レイアウトが動く前提で高閲に出すと、確認後に再度送り直すことになります。

実例

複数の医師が登壇した座談会形式の資材では、各医師の発言部分をそれぞれ本人に確認してもらう必要があります。このため、工程表には通常のレビューとは別に「演者高閲」のステップが立てられ、レイアウト確定後に送付する旨が明記されます。

工程表の実例としては、「原稿レビュー → (並行してレイアウト進行)→ 原稿確定後に演者高閲 → 高閲反映して再々レビュー」という順序が明示されることがあります。レイアウトを原稿レビューと並走させることで、高閲という読めない待ち時間を抱えながらも全体期間を短縮する意図です。

「高閲時確認」の赤字は、制作側とクライアント側の双方が判断を保留した箇所に入ります。数値の丸め方、専門用語の言い換えの可否、図の簡略化がどこまで許されるか。いずれも制作の都合では決められない論点です。この赤字が入ったまま次工程へ送るのが正しい扱いで、埋めてしまうと確認の機会そのものが失われます。

混同されやすい言葉

校閲は文章の内容や表記の正しさを確認する作業全般を指します。高閲は「誰が確認するか」に着目した言葉で、作業の種類ではなく工程上の位置づけを表します。

監修は、専門家が内容の科学的な正しさに責任を持つことです。高閲は自分の発言が正しく掲載されているかの確認が中心で、資材全体への責任を伴うとは限りません。監修者名は資材面に表示されますが、高閲を受けたことは面上に表れないのが通例です。

校了は、これ以上修正しないことを確定させる状態です。高閲は校了に至るまでの途中に置かれる確認工程で、高閲の結果として修正が発生すれば、その反映後に改めて校了を取ります。