承認前プレースホルダ(しょうにんまえぷれーすほるだ)
別名:仮置き、黒丸、プレースホルダ
承認前の段階で未確定の情報を仮置きする記号。黒丸や「X月」などで表し、確定後に差し替える。
発注される方へ — この言葉が意味すること
製品の承認前から資材の制作を始める場合、承認番号・保険給付上の注意・作成年月といった情報がまだ確定していません。これらを空白のままにすると版面の設計ができないため、仮の記号を置いて組み、確定後に差し替える運用を取ります。この仮の記号がプレースホルダです。
実務では、承認番号のように文字数が決まっているものは黒丸(`●●●`)で、年月のように後から入る数字は「X月」といった形で仮置きします。
発注側で最も重要なのは、この仮置きが本番の資材に残ったまま出てしまう事故を防ぐことです。これは実際にかなりの頻度で起きます。承認取得のタイミングと印刷のスケジュールが重なると、差し替え作業が直前になり、確認が甘くなるためです。
対策として、承認取得後に差し替えるべき項目のリストを、制作開始時点で作っておくことをおすすめします。承認番号だけでなく、薬価基準収載年月、販売開始年月、版表示、効能効果の確定文言など、まとめて差し替えが発生する項目は複数あります。
制作する方へ — 実務上のポイント
校了前と入稿前のチェックで、黒丸・X・「作成年月未定」といった仮置きの残存が無いことを必ず確認します。これは省略できない工程です。実際の案件でも、確認用PDFに黒丸が残ったまま回っている例が複数あります。
確認を確実にするには、目視ではなく文字列検索で機械的に探すのが有効です。仮置きに使う記号を案件内で統一しておくと、検索が一発で済みます。使う記号が案件ごと・担当者ごとにばらつくと、検索漏れが起きます。
差し替え作業では、一箇所直して終わりにしないことが要点です。承認番号は、表紙・奥付・各ページのフッターなど複数箇所に入っていることがあります。版表示も同様です。差し替え項目のリストに対して、資材内の出現箇所を全て洗い出してから作業します。
差し替え後は、修正前後のPDFを比較して、意図した箇所だけが変わっていることを確認します。
仮置きは文字数が変わることを前提に組みます。承認番号は桁数が決まっているため影響は小さいのですが、年月の表記や効能効果の確定文言は、確定後に文字数が大きく変わることがあります。仮置きの状態でぴったり収まるように詰めて組んでしまうと、差し替え時に行が溢れてレイアウトをやり直すことになります。確定文言が入る箇所は、想定される最大の長さで一度組んでおくと安全です。
実例
承認前のドラフトでは、承認番号を黒丸で仮置きし、保険給付上の注意も同様に伏せた状態で組みます。承認取得後の版でこれらが確定番号に置き換わり、あわせて薬価基準収載年月と販売開始年月が追記され、版表示が「作成」から「改訂」に変わる、というのが典型的な流れです。
実際の案件でも、確認用のPDFに黒丸が残ったまま回っている例は珍しくありません。校了前のテンプレートとしてそのまま使われた証跡でもありますが、誤って残したまま印刷まで進むと重大な差し戻し要因になります。
混同されやすい言葉
仮画像は、レイアウト検討のために置く暫定の画像です。入稿前チェックで残存を確認する点は同じですが、プレースホルダは文字情報の仮置きを指します。
伏字は、公開できない情報を意図的に隠すものです。プレースホルダはあとで必ず埋めるもので、隠すことが目的ではありません。見た目が同じ黒丸であっても、意図が逆である点に注意が必要です。
確定文言は、承認内容などに基づいて表現を変えずに使うことが決まっている文章です。承認前の段階ではこれが未確定のため、プレースホルダで仮置きする対象になります。