Facts & Truth合同会社

改訂箇所マーカー(かいていかしょまーかー)

別名:改訂マーカー、変更箇所マーク

改訂版で、どこが変わったかを資材の面上に示すための印。「*」「**」などが使われる。

発注される方へ — この言葉が意味すること

改訂版の資材では、前の版から変わった箇所に印を付けて、読み手が変更点を把握できるようにします。この印が改訂箇所マーカーです。

印には「*」「**」といった記号が使われ、版が進むごとに使う記号を変える運用が一般的です。第2版では「*」、第3版では「**」といった具合です。これにより、どの改訂で変わった箇所なのかが区別できます。

発注側で判断が必要になるのは、どの変更にマーカーを付けるかです。電子添文の改訂に伴う安全性情報の変更のように、読み手が知るべき変更には確実に付けます。一方で、表記の統一や体裁の調整といった内容に影響しない変更まで印を付けると、マーカーだらけになって重要な変更が埋もれます。この線引きは資材の性格によって変わるため、改訂のたびに方針を決めておくと制作側が迷いません。

制作する方へ — 実務上のポイント

マーカー運用で事故が起きやすいのは、旧マーカーの残存と、付け忘れの2点です。

旧マーカーの残存は、前の版のデータを流用して改訂する際に起きます。第2版で「*」を付けた箇所が第3版でも変更されたわけではないのに、「*」が残ったまま「**」が追加され、結果としてどちらの改訂の印なのか分からなくなります。版を上げるときは、まず前の版のマーカーを全て外してから、今回の変更箇所に付け直すのが確実です。

付け忘れは、変更が複数箇所に波及したときに起きます。本文の数値を直したが、同じ数値が出てくる図・表・脚注にはマーカーを付け忘れる、といった形です。赤字を1件ずつ消し込む際に、マーカーの付与もセットで確認します。

校正では、マーカーの数と改訂内容の対応を突き合わせます。改訂リストに5件の変更があるのにマーカーが3箇所しかない、という状態は付け忘れの可能性が高いサインです。

マーカーの凡例をどこに置くかも決めておきます。記号だけが面上にあって、それが何を意味するのか書かれていないと、読み手には意味が伝わりません。表紙裏や奥付に「**は今回の改訂箇所を示します」といった注記を入れるのが一般的です。版が進んで記号を変えたときは、凡例側の記号も変え忘れないようにします。本文のマーカーだけ更新して凡例が前の版のまま、という不整合が起きやすい箇所です。

実例

ある資材の改訂連鎖では、第2版で「*」を、第3版で「**」を使って改訂箇所を示していました。版が進むごとにマーカーの種類を変えることで、どの改訂で変わった箇所かを読み分けられるようにしています。

一方で、版を重ねるうちにマーカーが増えすぎ、面上のどこを見ればよいのか分からなくなることもあります。改訂の回数が多い資材では、どの版までのマーカーを残すかをあらかじめ決めておくと、この状態を避けられます。直近の改訂分だけを残し、それ以前のマーカーは落とす運用が取られることがあります。どこまで残すかは資材の性格によって変わります。安全性情報を扱う資材では過去の改訂履歴も意味を持ちますが、案内を主目的とする資材では最新の変更だけが分かれば足ります。

混同されやすい言葉

赤字は制作工程の中で使う修正指示であり、完成した資材には残りません。改訂箇所マーカーは、完成した資材の面上に印刷されて読み手に届くものです。両者は「変更箇所を示す」という点では似ていますが、向けられている相手が違います。赤字は制作側に向けた作業指示、マーカーは読み手に向けた情報提供です。

版表示は「2026年5月改訂(第3版)」のように、その資材が何版なのかを示す記載です。資材全体に1つ付くもので、マーカーのように箇所ごとには付きません。