RMP資材(あーるえむぴーしざい)
別名:RMP指定資材、リスク最小化資材
医薬品リスク管理計画の「追加のリスク最小化活動」として作成・配布する資材。統一マークを表示する。
発注される方へ — この言葉が意味すること
RMP資材は、通常の販促資材とは規制上の位置づけが根本的に違います。ここを取り違えると、制作でもレビューでも判断を誤ります。
医薬品リスク管理計画(RMP)は、医薬品のリスクを管理するための枠組みです。そのなかの「追加のリスク最小化活動」として作成・配布される資材がRMP資材にあたります。適正使用ガイド、医療従事者向け資材、患者向け資材、患者携帯カードなどが該当します。
最も重要な点は、RMP資材本体は製品情報概要の作成要領の対象外であるということです。RMP資材による情報提供は製造販売後の安全管理に関する省令に基づくもので、販売情報提供活動のガイドラインや業界団体の作成要領といった規制の対象ではない、と明記されています。
これは「無関係」という意味ではありません。科学的・客観的な根拠に基づくこと、華美な表現を用いないことといった基準は別途定められており、その基準を満たすための参照資料として作成要領を使うことは可能とされています。対象外であることと、無視してよいことは違います。
発注側として必ず整理しておくべきなのは、その資材がRMP資材にあたるかどうかです。ここが曖昧なまま制作を始めると、適用すべき基準が定まりません。
制作する方へ — 実務上のポイント
レビューでも制作でも、最初にやることは資材がRMP資材か否かを確定させることです。RMP資材と判明している資材に対して、製品情報概要の作成要領に基づくルールを機械的に当てると、誤った指摘になります。
統一マーク(RMPマーク)を表示する範囲にも基準があります。表示するのは、RMPの「追加のリスク最小化活動」の項において規定された、企業が作成する資材のうち、RMPを規制当局に提出した際の提出届や差換え願において「添付資料」として添付されたものです。
ここから導かれる制作側の確認事項はひとつで、「この資材は添付資料として提出されているか」をクライアントに確認することです。見た目や内容から推定してマークを付けてはいけません。
なお、この統一マークの枠組みは法令ではなく、業界団体の安全性委員会による自主的な申し合わせに基づいています。医療従事者から「RMP資材であることが認識しづらい」という指摘があったことを受けて定められたものです。根拠を示す際は、薬機法や業界団体の作成要領と混同しないようにします。
実例
RMP資材にあたる典型的なものとしては、適正使用ガイド、医療従事者向けの注意喚起資材、患者向けの説明冊子、患者が携帯するカードなどがあります。いずれも「追加のリスク最小化活動」として位置づけられているかどうかで判断されます。
レビューの現場でよく起きるのが、RMP資材に対して製品情報概要の基準を当ててしまい、「安全性情報の文字サイズが有効性より小さい」「出典の記載形式が要領に沿っていない」といった指摘を出してしまうケースです。これらは適用外の基準に基づく指摘であり、クライアントに差し戻されます。資材の種別を確定させてからレビューを始めることで防げます。
混同されやすい言葉
製品情報概要は業界の作成要領に基づくプロモーション資材です。RMP資材はその対象外で、適用される基準が異なります。両者を同じ基準でレビューしないでください。
適正使用ガイドは、RMP資材として作られることが多い資材の一種です。ただし必ずRMP資材であるとは限らないため、個別に確認します。
患者向け資材も、RMP資材として作られる場合とそうでない場合があります。どちらなのかで適用される基準が変わります。