Facts & Truth合同会社

疾患解説資材(しっかんかいせつしざい)

別名:疾患啓発資材

疾患そのものを説明する資材。特定の医薬品の広告と解釈されないようにする必要がある。

発注される方へ — この言葉が意味すること

疾患解説資材は、製品ではなく疾患を説明するための資材です。患者向けと医療関係者向けがあり、それぞれ基準が異なります。

患者向けの疾患解説資材で最も重要なのは、特定の医薬品の広告と解釈されないようにすることです。これは形式の問題ではなく、内容の問題として判断されます。

具体的な制約は次のとおりです。対処法を示す場合は、通常想定される対処法を公平に提示します。特定の薬への誘導はできません。治療薬による臨床成績は記載しません。医薬品に触れる場合は薬効分類名にとどめ、製品名は使えません。

医療関係者向けの疾患解説資材では、自社医薬品の有効性・安全性の具体的な成績を記載する場合、特定項目製品情報概要として作成する必要があります。さらに、薬効分類名しか使っていなくても、実質的に製品情報を含んでいると判断される場合には、特定項目製品情報概要に相当する厳格さが適用されます。

つまり、「製品名を出さなければ疾患解説資材として扱える」わけではありません。実質で判断されます。この点は、疾患啓発を企画する際に最も誤解されやすいところです。

制作する方へ — 実務上のポイント

制作上の判断で難しいのは、どこまでが疾患の説明で、どこからが製品の訴求かという線引きです。

判断の手がかりになるのは、「その記述が、特定の製品を使うべきだという結論へ読み手を導いているか」という観点です。疾患の説明として必要な範囲を超えて、特定の作用機序や特定の投与経路の利点を強調していれば、実質的に製品の訴求と読まれます。

対処法を並べるときは、選択肢の扱いを均等にします。自社製品に該当する治療法だけ記述が厚い、他の選択肢が一行で済まされている、といった非対称は、公平な提示とは見なされません。

患者向けでは、表現そのものにも制約がかかります。疾患のリスクを「必ず発症する」かのように書くこと、治療を「必ず治る」かのように書くことはできません。不安を煽る表現も、過度な期待を持たせる表現も避けます。

企業名の記載は必須です。誰が作った資材なのかを明示します。患者向けの疾患啓発では、企業名が小さく目立たない位置に置かれがちですが、読み手が作成主体を認識できる大きさと位置に配置します。

ビジュアル面でも注意が要ります。疾患の説明にイラストや写真を使う場合、特定の治療法や投与形態を想起させる描写(特定の剤形、特定の投与デバイス等)は、製品への誘導と読まれる可能性があります。疾患そのものの理解を助ける描写にとどめます。

実例

患者向けの疾患解説で、対処法として「生活習慣の改善」「薬物療法」「外科的治療」を並べる場合、自社製品が該当する薬物療法だけ記述が厚くなると、公平な提示とは見なされません。各選択肢の記述量と踏み込みの深さを揃えます。

医療関係者向けでは、薬効分類名しか使っていない資材であっても、その分類に自社製品しか存在しない、あるいは記述内容が自社製品の特性そのものである場合、実質的に製品情報を含むと判断されます。この場合は特定項目製品情報概要に相当する厳格さが適用されます。

混同されやすい言葉

患者向け資材は、特定の製品を使用している患者に向けたものです。疾患解説資材は、その疾患に関わる人全般に向けたもので、製品との距離が違います。

記事体広告は、記事の体裁をとった広告です。疾患解説資材は広告として作られるものではありませんが、内容によっては実質的に広告と判断されることがあります。