資材種別 早見表
「載せたい内容」から、作るべき資材の種類を引くための表です。医薬品資材は、何を載せるかが決まると作れる資材の種類も決まります。企画の段階でご確認ください。
12 件を掲載しています。
新発売・薬価収載・追加承認などの事実を案内したい
お知らせ文書で作れます。ただし有効性・安全性の具体的な成績は書けません。
作れるもの
- お知らせ文書
できないこと
- プレスリリース(この枠組みの対象外)
新規承認、新発売、追加承認、薬価収載、剤形追加といった事実の案内は、お知らせ文書の役割です。
ここに「本剤は○○試験において△△%の改善が認められました」といった記述を加えると、お知らせ文書の範囲を超えます。その場合は資材の種類そのものが変わり、特定項目製品情報概要として作成することになります。
専門誌広告のキャッチフレーズや「特徴」の文言を、お知らせ文書に転用することもできません。
自社製品の有効性・安全性の具体的な成績(数値・グラフ)を載せたい
製品情報概要として作成します。他の資材種別には載せられません。
作れるもの
- 総合製品情報概要
- 特定項目製品情報概要
できないこと
- お知らせ文書
- 疾患解説資材
- 患者向け服薬指導資材
全項目を記載するなら総合製品情報概要、特定の項目に絞るなら特定項目製品情報概要です。
注意が必要なのは、「その資材に一文だけ足す」ということができない点です。具体的な成績を書いた時点で、その資材は製品情報概要として作成する必要が生じます。
医療関係者向けの疾患解説資材も同様で、自社医薬品の具体的な成績を載せる場合は特定項目製品情報概要として作ることになります。薬効分類名しか使っていなくても、実質的に製品情報を含むと判断される場合は同じ扱いです。
患者さんに治療の効果を伝えたい
服薬指導資材ではイメージ図までです。数値・グラフは使えません。
作れるもの
- イメージ図(患者向け服薬指導資材)
できないこと
- 具体的な臨床データの数値・グラフ
- 臨床比較試験の成績(患者説明用資材)
患者向けの資材は2種類に分かれ、書ける範囲が違います。
患者向け服薬指導資材(患者さん本人が読む)は、安全に使うために必要な情報に限定されます。有効性についてはイメージ図にとどめ、具体的な数値やグラフは記載できません。
医療関係者が使用する患者説明用資材(医師・薬剤師が説明に使う)のほうが範囲は広く、病態の説明や製品情報も記載できます。ただしプラセボ対照試験を除く臨床比較試験の成績は記載できず、効能効果・用法用量は承認範囲外の記載が禁止で、「参考情報」は一切記載できません。
有効率のグラフの掲載と比較試験成績の掲載は、この領域で最も多い指摘です。
他社製品に触れたい
原則として一般名のみです。製品名は使えません。配合変化表だけが例外です。
作れるもの
- 一般名での記載(安全使用上必要な場合)
- 配合変化表での販売名記載
できないこと
- 患者向け資材での製品名
- 製品一覧での他社製品名
- 比較を強調する記載
患者向け服薬指導資材、医療関係者向けの患者説明用資材、製品一覧では、安全に使ううえで必要な場合に限り一般名のみで記載します。製品名は使えません。
配合変化表だけは例外で、販売名での記載が必須です。「他社品は一般名」と機械的に覚えていると、ここで誤ります。
比較については、通常の広告では他剤との比較試験成績を掲載しません。記事体広告では比較を強調するタイトルを避け、誹謗中傷にあたる表現を用いないことが求められます。客観性を欠く比較広告も認められません。
疾患そのものの説明をしたい(患者さん向け)
疾患解説資材で作れます。特定の薬への誘導になっていないかが分かれ目です。
作れるもの
- 患者向け疾患解説資材
できないこと
- 治療薬による臨床成績
- 製品名
- 特定の薬への誘導
内容は疾患の説明を原則とし、特定の医薬品の広告と解釈されないようにします。
対処法を示す場合は、通常想定される対処法を公平に提示します。自社製品に該当する治療法だけ記述が厚く、他の選択肢が一行で済まされている、といった非対称は公平な提示と見なされません。
医薬品に触れる場合は薬効分類名にとどめます。セルフチェックリストでは、症状だけで診断が確定するかのような表現は避け、必ず医師への相談を促します。疾患リスクを「必ず発症する」、治療を「必ず治る」と誤解させる表現も使えません。
リスク最小化のための資材を作りたい
RMP資材として作ります。製品情報概要の作成要領は適用されません。
作れるもの
- 適正使用ガイド
- 医療従事者向け資材
- 患者向け資材
- 患者携帯カード
できないこと
- 製品情報概要の作成要領を根拠にしたレビュー
RMP資材は、通常の販促資材と規制上の位置づけが根本的に違います。追加のリスク最小化活動として作成・配布されるもので、製品情報概要の作成要領の対象外です。
そのため、RMP資材に作成要領のルールを機械的に当てると誤った指摘になります。制作でもレビューでも、まず資材がRMP資材かどうかを確定させてから基準を選びます。
統一マークを表示するのは、RMPを当局に提出した際の添付資料として添付されたものです。「この資材は添付資料として提出されているか」をクライアントに確認します。見た目や内容から推定してマークを付けてはいけません。
主要評価項目以外の結果を載せたい
「参考情報」と明記し、強調しない扱いにします。患者説明用資材では記載できません。
作れるもの
- 製品情報概要(参考情報として明記)
できないこと
- 医療関係者が使用する患者説明用資材
効能効果の範囲内で副次的に得られた結果は、「参考情報」と明記し、強調しない扱いが求められます。事前に規定された解析を優先し、事後解析を載せる場合は理由を明記したうえで控えめな表現にします。
注記があっても、レイアウト上その図表が最も目立つ位置にあれば、強調していないとは言えません。注記の有無と、紙面上の扱いの両方で判断されます。
医療関係者が使用する患者説明用資材では、「参考情報」は一切記載できません。製品情報概要のルール(条件付きで許容)とは別の、より厳しい扱いです。混同しないでください。
効能効果・用法用量の一覧を作りたい
承認事項を正確に全文記載する場合のみ作れます。簡略化はできません。
作れるもの
- 製品一覧(承認事項を全文記載)
- 薬価一覧(単位薬価のみ)
できないこと
- 簡略化した一覧
- ○×印での有無表現
- 一日薬剤費・自己負担額
- 警告・禁忌の一覧
効能効果・用法用量の一覧は、承認事項を正確に全文記載した場合のみ作成できます。紙面の都合で簡略化したり、○×印で有無を示したりすることはできません。
薬価の一覧は単位薬価のみです。一日薬剤費や自己負担額は記載できません。
そして、警告・禁忌を含む注意事項等情報の一覧は作成できません。安全性情報を一覧化して比較しやすくしたいという要望は自然ですが、この形式自体が認められていません。
世代分類の一覧は、ガイドライン等の科学的根拠に基づく場合のみ可能で、根拠の併記が必要です。
学会発表の要旨や講演会の記録集を配りたい
作れますが「求めに応じて提供するもの」で、積極的な配布はできません。
作れるもの
- 学会発表要旨・記録集
- 講演会記録集
- 文献別刷
- 文献要旨集
できないこと
- 自ら積極的に提供すること
- メール等での積極的な誘導
これらの資材に共通するのが、「医療関係者からの求めに応じて提供するもので、自ら積極的に提供するものではない」という前提です。
ウェブに掲載する場合は、①製品ページから独立させる ②個人限定の提供とする ③「はい/いいえ」の確認だけで閲覧できる形にしない ④メール等で積極的に誘導しない、の4点が繰り返し求められます。
「作れるかどうか」ではなく「どう届けるか」に制約がかかる種類の資材です。企画の段階で配布方法まで決めておかないと、作ったものを配れないという事態になります。
専門誌広告のコピーを他の資材に流用したい
お知らせ文書への転用はできません。
できないこと
- お知らせ文書へのキャッチフレーズ転用
- お知らせ文書への「特徴」文言の転用
専門誌広告のキャッチフレーズや「特徴(性)」の文言を、お知らせ文書に転用することは認められていません。
広告用に作った訴求コピーを案内文書に流用するのは効率的に見えますが、お知らせ文書は事実の案内という性格を保つ必要があります。
制作側で原稿を受け取った際は、流用元が何の資材かを必ず確認します。支給された原稿に広告由来の文言が含まれている場合、そのまま組むのではなく資材種別の確認を返すのが適切な対応です。
記事の形式で製品の情報を伝えたい
記事体広告として作れますが、広告として扱われます。
作れるもの
- 記事体広告
- タイアップ記事
できないこと
- 他剤との比較試験成績
- 症例紹介
- 比較を強調するタイトル
記事の体裁をとっていても、広告として扱われます。製品情報概要の作成要領の対象資材に明確に含まれており、「記事だから広告ではない」という整理は通りません。
行政による監視事業でも、専門誌・学会誌の記事体広告は明示的に監視対象です。頻出する指摘は、多い順に、エビデンスのない説明、有効性の強調(安全性情報が不足)、未承認の効能効果や用法用量の提示、他社・他社製品の誹謗中傷です。
記事の流れを作るために書かれた導入部やまとめの一文、図解に添えた説明文は、本文より根拠の確認が甘くなりがちです。すべての記述に本文と同じ基準で根拠を確認します。
関連する用語: 記事体広告 / 製品情報概要 / 販売情報提供活動監視事業 / 薬機法の広告規制
既存の資材を改訂したい
改訂の理由がどれかを見極めてから着手します。資材管理番号も更新されます。
作れるもの
- 改訂版の作成
できないこと
- 前の版の記載を正しいものとして流用すること
改訂の理由はおおむね5つに分類できます。承認ステータスの反映、電子添文の改訂への追随、表記統一・体裁の整理、仮置き情報の差し替え、改訂箇所マーカーの更新です。
どれにあたるかを見極めずに着手すると、反映漏れが起きます。とくに電子添文の改訂に追随する場合は、必ず最新の電子添文と直接照合します。前の版の記載を正しいものとして扱ってはいけません。
改訂時には資材管理番号が更新され、別の資材として扱われるのが一般的です。また、電子添文は全項目が改訂管理の対象ではないため、貯法・有効期間・組成性状・主要文献は、改訂通知が来ていないというだけでは最新性を確認できません。
関連する用語: 改訂連鎖 / 電子添文 / 資材管理番号 / 改訂箇所マーカー / 承認前プレースホルダ